2017/10

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「んだら・んだのや・んだなっす」岩手語教師ノーブル佐々木です。

おたふく風邪の続編である。




■泌尿器科

泌尿器科には、正直良い思い出はない。
もっとも


「あそこの肛門科には良い思い出があるんだ・・・。」


などとしみじみ語るやつにあったこともないが。
オラホの父親は、41歳と言う若さで癌で亡くなったのだが、その彼が患ったのが膀胱癌だったからだ。
実際、膀胱癌単独で死にいたるケースはあまりない。
大概は、より命にかかわる肺などに転移してご臨終となるらしい。
そんな因縁めいたものを感じつつ総合受付で初診手続きを済ませ、泌尿器科へと向かうオラホだった。

そこは、すでに混雑時間を過ぎたせいなのか、がらんとして人気がなかった。
内科とはえらい違いじゃないか・・・、とか駄洒落を大脳掲示板に表示させつつ泌尿器科受付で書類を提出した。
内科で紹介状を持たされていて、それを出すように言われていたのだ。
同じ院内でなぜ紹介状が必要なのか、どこか釈然としない思いだった。

すると、案内された診察室で待っていたのは、ロン毛・ソバージュの20代と思しき綺麗な女医さんだった。
今だと


「えええ〜、ソバージュ〜?」


とか失笑をされかねないが、当時はジュリアナ東京全盛時代、白衣の下はボディコンか?と胸躍らせるべきところなのだ。
え?それが何で泌尿器科に・・・。
ああ〜、悪夢が蘇る、実はオラホは14歳の時に・・・。
あ、これはもうやったか。
しかし、肛門とか裏口の話ではない。
表玄関の話だ。
拳銃で言えば、握りの部分。
あ〜、何に例えても卑猥だ。
卑猥すぎる。
今まで観た映画のいけないシーンが走馬灯のように脳内を回り始めた。
あれ?少し幸せかも・・・。



■昼の診察室

促がされるまま、丸いすに座ると彼女は問診を始めた。
内容は良く憶えていないが、発症時期とか症状について聞かれたと思う。
しかし、この時オラホは対応策を練っていた。

「ここは、あれだ、三角関数で乗り切ろう。」

なんと初心(うぶ)なことだろう、オラホは己の情念を肉体に体現化することをあくまで拒否していた。
んんん〜使い慣れない言葉を使うと分りづらい。
早い話が、勃起しないように他に集中することを考えていたわけだ。
すると一呼吸おいて彼女が言った。

「それでは、触診しますので下のものを脱いでそこに寝てください。」



来た

来た



着た

来た〜

来てしまったぁ〜。



アノクタラサンミャクサンボダイ(レインボーマン)
テクマクマヤコン、テクマクマヤコン(ヒミツのあっこちゃん)
臨兵闘者皆陳列在前(りんびょうとうしゃかいちんれつざいぜん/孔雀王)

いざとなると三角関数はさっぱり浮かんでこないので、取りあえず呪文を唱えていたりするオラホが全力でひたむきである。
すこし話が大きくなってきたような気がしないでもないが、このあとこのセンテンスは急激に終局へと向かうこととなる。



■小さきものたちへ

「では、○○先生お願します。」

は?それって誰?
茫然自失のオラホの前に呼ばれて登場したのは、身長180cm以上はあるガッチリした体格の男性医師だった。
どうやらこの女医さんは、まだ研修中らしい。


「はめられた!」


オラホは、そう思った。
まるで新婚初夜に妻と思った相手が男だと分った、そんな感じだ。
いや、もっと適切な表現がある。
「美人局」と書いて「つつもたせ」だ。
若年層には通じないかもしれないが、上のひらがなで変換すればちゃんと出てくる広辞苑にもある正規の言葉だ。
ま、意味は自分で調べなはれ。


「実は私、大学時代アメフトしてました。」


とは言わなかったが、合コンならきっとそう言っていたにちがいない彼は、例によってゴム手袋を装着し、このシリーズ3回目となる触診を行なった。


「痛いですか?」


「そんなぶっとい指で転がすんじゃねぇ。
どれが指でどれが竿だかわかんねぇじゃねぇか!」


と生涯2度目の江戸弁を使いたいところだったが、口から出たのはたった一言だけだった。

「は、はい・・・。」

しかも、また裏返ってるし。
オラホの竿が指より小さく見えた29歳の夏。
この時、不幸指数は盛岡最低値を記録した。


まだ続く



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