2017/08

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不正献金受付中のノーブル佐々木です。


爾泙任ちゃった。



■良心回路復活

いつの間にか寝てしまったようだ。
目覚めるとそこは病室。
そうだ、入院していたんだ。
窓から外を見ると空が明るくなってきている。
ここが何階かはよく覚えていないが、10階よりは上。

空以外で見えたのは県庁だ。
薄闇の残る空に濃い紫色のシルエットを浮かべいた。
その向こうあるはずの盛岡城跡公園は影になって見ることは出来ない。
住みなれた街でこういうアングルで見るのは初めてだった。

夏でもこの時間帯の盛岡は決して暑くない。
よく言えば爽やかだが、昼間の格好では薄ら寒い。
それでも子供のころは、夏休みの早朝ラジオ体操に半袖・半ズボンでよく行ったものだった。
傍目から見ると子供たちは、元気はつらつとしているように見えたかもしれないが、動いていないと寒いので全力でラジオ体操してただけだった。
あれから何年経ったろう。

ぼんやりとそんな窓からの風景を眺めていたオラホだが、身体に発熱の予兆をしっかり感じていた。
熱が上がってきている。
お、気が付くと病室が静かになっている。
ご婦人は吐き気が止まり、男性は寝てしまったようだ。


「ア、デンキ・・・。」


む、まだ起きてたか・・・。
一晩中しゃべり続けるとは並外れた体力だ。
病人にしておくのはもったいない。
電極つけて発電機代わりにでもなるんだったら本望だろうに。
まあいい、オラホも良心回路が復活して平常心を取り戻している。
これからまた熱が上がっていくだろうが、夕べのようなことはない。
だからみんなの事は愛してるぜ、安心しな。



■こだわりの看護婦



「で〜、震えが止まらない〜」


“喉元通れば熱さ忘れる”と言うが、なんと的確なことわざであろうか。
通算3度目の発熱で良心回路はすでにフリ−ズしている。
もうこうなると麻薬中毒患者同然で、解熱剤欲しさに体温計こすったり、もっと温かそうな所にはさんだりと、禁じ手の体温偽装方を使い一刻も早く規定の数値をクリアーさせようと努力していた。
そしてなんとか8度6分に達しナースコールすると、程なくして解熱剤をもった看護婦さんが現れた。
前回とはまた違う看護婦さんだ。
例によって「自分で入れますか?」と聞かれると思ったが、その時は違った。


「ハイ、では座薬、挿しますね〜。」


は?挿す?震えていた体が一瞬止まった。


「え?いや、いいですよ、自分で入れますから。」


オラホは出来る限りやんわりとお断りした。
彼女も見た感じ20代後半といった所で、当時のオラホとはほぼ同年代。
嫁と交わした契りをここで破るわけにはいかない。
熱のせいか相変わらず妄想が混入してしまうが、ここは譲れないところだ。
しかし、今回の看護婦さんはどこか違う。


「いえ、私が入れます。」


キッパリと断言した彼女には、迷いがなく何人も犯すことの出来ない崇高な使命感があるようだった。
何で座薬にそんな使命感・・・。
当然オラホも簡単に折れるわけにはいかない。
30歳目前で座薬の一本も自分でさせないで、なんで一人前の男と言えよう。
これまで培ってきたオラホの人生の全てをかけても、この座薬は己で挿す!

そうして彼女と「挿す」「自分でやります」と座薬を巡る攻防は始まった。
同室患者の雑音も沈静化し安寧の中、オラホは静かに座薬を挿したいだけなのに、ただそれだけなのに、この後いくつ試練を乗り越えれば退院できるのだろうか。
そう思うと熱が出そうな気分になったが、すでにMAXに達している。

結局、彼女の言うことを聞かない限り、手にした座薬をもらえないわけで、この勝負の結末は見えている。
今のオラホは、あの座薬を手に入れるためならならコンビニ強盗すらしかねない危険な精神状態だ。
なるほど薬中が犯罪に走る心理とはこう言ったものか。
記事を読むだけでは分らない、実際に体験したものだから理解できるそういったものは確かにある。
しかし、今はそんなジャーナリズムやら人間心理にかまってる場合ではないぞ。
決断すんだオラホ!


「じゃあ、はい・・・、お願します。」


看護婦が勝ち誇ったように見えたのは、オラホの気のせいだったかもしれない。
しかし、彼女はそんな勝利の余韻に浸るまもなく、挿入体制に入っていた。
そして気を使ってか毛布をめくらず、片方の手で端を持ち上げると手をすべりこませた。


「あ、もう座薬ささってますね。」


「い、いえ、それは前です。」


そんなコントを妄想していたオラホ。
あれ?よろこんる?オラホ?
生まれて初めて他人に座薬を入れられるのだ。
これくらい妄想してもいいはずだ。
彼女は、手でオラホの肛門を確認して標的が決まると標準をロックした。


「ロックされた!くるぞ〜。」


気分は戦闘機のパイロットだ。
次の瞬間、少しひやりとする座薬は細い指に押され、ずぽっ!と体内に進入した。
そして彼女はそこで気を緩めず、グイ〜ッと座薬のおしりが見なくなる奥まで押し込むことを忘れなかった。


「お見事!」


と、扇子があったら広げているところだ。
なんか感動すら覚える。
そんなオラホを置いて、仕事を終えた彼女はさっさと持ち場に帰って行った。
29年の生涯ではじめて他人に、しかも異性に座薬を挿入させられたオラホは、しばし放心状態だったが、すぐに気を取り直しこの件に関して分析を試みた。

たしかに世の中至る所にプロフェッショナルがいるものだが、入院中オラホの出会った看護婦で座薬の挿入を志願したものは彼女以外にはいない。
彼女は特殊任務を託された看護婦「特命看護婦」だったのだろうか?
まさかそんなことはないだろう。
たかがおたふく風邪の入院患者相手に、上から特命が下るわけがない。
ということは、彼女の独自判断によるミッションだったのだろうか?
だとすれば彼女の使命感を発芽させたものとは、一体なんだったのだろうか?
え〜い、わかんねぇや。
取りあえずオラホのキュートなお尻ってことにしよう。



ちゃんちゃん♪




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