2017/08

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チョコレートは2月13日まで受け付けるノーブル佐々木です。


修箸いΔ海箸如



■迷信

熱が下がり、その後の朝食を何とか完食すると、ナース・ステーションではシフトチェンジの際の申し送りをしているようだった。
これまでも、ほとんどと言っていいくらい来る看護婦さんが違うので、どんだけいるんだ、と思っていたが、まだ当分はこんな状態が続くのだろう。
しかも皆若く、この時点で30歳以上と思われる看護婦に遭遇していない。


「『看護婦祭』してるけど、どう?」


急に高校生の時、友達と大通り裏を歩いていて、呼び込みに声をかけられたのを思い出した。
どう見ても未成年の二人をからかったとしか思えないが、ひとしきり盛り上がった。


「え〜、看護婦祭だってよ。どんなんかな。」


「保険証もってけば3割引だったりしてぇ。」


「ぎゃははは〜!」


再現ビデオにするとこんな感じだ。
どうしてこうも男と言うものは、制服にあらぬ妄想を抱いてしまうのだろう。
そこに最近はメガネがアイテムとして加わることが多いが、それらには共通するイメージがあるように思う。
それは「知性」と「自制心」なのではないだろうか。
そして、そこに封じ込められた性衝動を妄想し燃え上がるのである。

何をまじめに語っているのだろう。
シシャモでも食いすぎたせいかもしれない。
しかし、人それぞれに言わずにはおられない、そんな瞬間と言うものがある。
例えば、この「おたふく風邪」シリーズもそんな一つなのである。
これを読む読者が「どこにそんなメッセージが?」と思うかもしれない。
では、こんな話を聞いたことはないだろうか。


おたふくにかかると子種がなくなる。


特に中年以降の方には、この話を信じている方が少なくないように思う。
しかし、これは間違った認識による迷信である。
もし本当なら、今頃人類は滅亡していたかもしれない。
しかし、新型インフルエンザの速報が番組途中に字幕で流れても、おたふく風邪速報が一度として流れたことがないように、決してそんなことはない。

副睾丸炎を併発しない限り100%そんなことはないのだ。
未確認だが、副睾丸炎になる確率は20%ぐらいらしいが、仮にそうなったとしても子種がなくなるかどうかは、傷跡が残るか残らないかの違いのようなもので、必ずそうなるわけではない。
オラホは、今回の病気を通して天命を与えられたと思っているが、それがこの迷信の払拭である。


「おたふく風邪で子種がなくなる」は迷信だ!

おたふく患者に愛の手を!

おたふく患者に人権を!


ふむ、なかなか決まったような気がするぜ。
ではオラホの子種はどうなんだろうか?
オラホのキャンタマ袋は、種無ブドウと化してしまったのだろうか。
実はあれから21年経った今でもそれは謎のままでなのである。
いや未確認といった方が適切だろうか。
だって仕方ないじゃないか、3人で子供は打ち止めにしちゃったんだから。

手の上でピチピチ跳ね回っているのならすぐに分ると言うものだが、検査しないと分らない。
それもオシッコ紙コップに入れるほど気楽に出来るものでもないだろう。
検査を想像しただけで、座薬を挿される以上の試練が待っていることは、十分予想できる。

いずれにしても、現状で困ることは何もないのだからいいじゃないか、と結婚もして3人の子宝に恵まれているオラホの立場なら気軽に言える。
しかし、未婚者であれば重大事項だろう。
もっとも、最近はワクチンがしっかりあり、無料の予防接種もあるので今の若い世代には無縁のことなのかもしれない。
結局のところ、オラホの使命感も現代においては、たいした社会貢献はできそうもないのである。



■点滴

「ちょっと、待てよぉ!」


キムタクならそう言ったに違いない。
朝食も過ぎて看護婦さんが持ってきた点滴が前回とは違うのだ。
100ccほどの抗生剤はいいだろう、前回と同じだ。
しかし、もう一本「500cc」と表示されているその点滴は何なんだ。
持ってきた彼女の説明によると、昨日食事を残したのでそれを補うために追加されたのだと言う。


「聞いてないよ〜!」


今度は出川の出番だ。
ただし、いずれも声には出ていない。(こればっか)
まさか、おかずを一品を残しただけでこんなペナルティーを受けるとは思ってもみなかった。
しかも500佞任△襦
比重は水以上だろうから、抗生剤と足すと600g超ということになる。
つまり、体重がそれだけ増えるということだ。
どうせオシッコでほとんど出るとは思うが、何か釈然としない。

銀行に行って「預け入れ」と「支払い」2つを一緒に頼んだ時、「支払い」が先で預金高がマイナス、「預け入れ」が後でプラス、と記帳された気分だ。
肥満のオラホが敏感になるところである。
今だから告白するが、オラホはこの入院を肥満治療の一環ととらえていた部分があった。
まあいい、次からはもっとうまくやるさ。


「残しても戻さなければいいんだろ、な。」


と心はだんだん荒んでいくオラホだった。
それでも、点滴が始まるとあまりの退屈に業を煮やし、やってしまったことがある。
点滴のスピードを速めたのだ。
そうだ、看護婦さんが点滴スピードを調整したあの調節装置をいじったのである。

通常三,四秒で1滴落ちるのを一秒間くらいにまで速めた。
そのうち面白くて、つ〜と一直線になるまでいじったが、さすがに心臓に負担だろうと思いやめた。
どれくらいの時間で終わったのか覚えていないが、たぶん3分の1くらいの時間で終わったのだと思う。

よい子は真似しないように。



■嫁

高熱は、三日三晩つづいた。
しかしこの間、これ以上高熱と平熱の狭間で揺れるオラホに、大した事件は存在しない。
ガラガラと点滴引いてトイレに大便しに行ったこととか、隣とを隔てているカーテンを無言で開けたら、老婦人が携帯トイレで大便していたこととか、膨らませればネタにできないこともないが、排泄ネタはあまり好きでないし(どこが?)、人の尊厳にもかかわることなのでここでは取り上げないこととする。

それでも一つ上げるとすれば、やはり嫁のことだろう。
当時新婚5年目を迎えたオラホの嫁は、連日の仕事と家事で疲れていたにも関わらず、健気にも毎日見舞いに来て洗濯物やら暇つぶしの本やら持って来てくれていた。
普段からあまり感謝の言葉をかけない不遜な夫であるオラホも、頭が垂れる思いだった。
どうせこのブログなんか読まないだろうからこの際言っちゃおう。


「仕事も家も大変だったろう。その上オラホの面倒まで見てくれて本当にありがとう。」


さて、高感度アップしたところで本題である。
そんな彼女に下着を持って来てもらった時のことだ。
丁度補充する頃でもあったしくたびれた下着では肩身も狭かろうと思ったのだろう。
気を利かせて何枚か買って来たのだった。

この時彼女がどういうコンセプトで選んできたのかというと、想像だが「看護婦さんにウケる奴」だったのではないだろうか。
開けてみておどろいた。


ヒョウ柄のビキニパンツだった。


大阪のおばはんかい!と突っ込みたくなる衝動に駆られた。
たしかにこの時まで彼女がオラホの下着を買ったことはない。
すべてオラホによるセルフチョイスだった。
当時だとまだブリーフが主流で柄パンといったあたりが出初めていたかもしれない。
もちろんビキニパンツという流れもあったがオラホが何で入院したのかを思い出してほしい。


「副睾丸炎」である。


お下品に言うと


「キャンタマ炎」である。


腫れてるのである。
痛いのである。
あまり言及してこなかったが、その痛みは鈍痛とはいえ身体を「く」の字にしていないと耐えられないのである。
女性にこの痛みを説明するは難しいが、男性には簡単だ。
次のようにすれば体感できる。

1.最初に傍らに人がいるなら後ろから股間を軽く蹴り上げてもらおう。  一人なら椅子の肘かけ、あるいはベットの柵に勢いよく股間で座るとよい。

2.しばらく激痛が走るのでじっと堪えてしばらく待とう。

3.徐々に激痛が和らいで鈍痛に変わる。


これがジャスト・オラホの痛みである。
違いと言えば、それがず〜といつまでも続くということだけ。
そんな痛みのあるキャンタマを固く締めつけるビキニは無理なのである。
痛みを増幅するだけである。
たとえヒョウ柄でも中身は狸の置物なのである。
しかもこれに氷嚢を入れたら、オラホのキャンタマの行きどころはどうなる。
はみ出してしまうしかないではないか。

しかし、し・か・し である。
確かにウケるかもしれない。


「どっちが本物だ〜?」


なんて看護婦さんとヒョウ柄パンツの中身当てクイズをして戯れるシーンを妄想してみる。
ふむ、いいかも…。
いや、結構いいかも。
お〜どんどん「い〜かも」って思えてきたぞ。

よ〜し、嫁、ナ〜イス、ジョブ!
これで行ってみよう!
闘病生活エンジョイするぜぇ!
と思ったかどうかよく覚えていないが、取りあえずこれで行ってみることにした。

しかし、ヒョウ柄パンツに言及する看護婦さんが現れることは遂になかったのである。








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