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ニュースZERO

時々、右足にしようか左足にしようかと悩んだあげく、結局どちらも出せないまま、転落しそうになったノーブル佐々木です。

昨夜、何気なくニュースZEROを見ていたら、mixiを悪用した詐欺事件をリポートしておりました。
紹介により初めて入会できる信用性を悪用したものだと言うことですが、事の顛末は、以下のようなもののようです。

mixiで高額アルバイトの募集をみかけ、メールで問い合わせる。
             ↓
返信メールに書き込まれた日時・場所に出向く。
             ↓
呼び出した男は、自分は白川と言う会社社長の仲介役だ、と被害者に説明した。
             ↓
バイト内容は、白川の代理として被害者名で消費者金融から50万円の借入をしてくれれば、その報酬として5万円を支払う。当然返済は、こちら(白川)が行う、と言うものだった。
             ↓
その話の後、白川が現れ、住基登録カード(住民基本登録カード)などを見
せ信用できることを説明した。
             ↓
結局被害者は、信用し消費者金融から50万円の借り入れを行い、5万円の
報酬を受け取った。
             ↓
半年ほどすると、消費者金融から返済請求が届いたため、被害者は仲介役に
連絡を試みたが、連絡がつかず行方も分からず、自ら50万円の返済をする
ことになった。


ありがちな話で、村尾キャスターが最後に言ってたように、そんなうまい話があるわけないんですが、だからと言ってその辺を信用してしまうのが“mixi”の落とし穴、と決めつけてmixiに「詐欺の温床」というレッテル貼りするのもなんか違う気がします。

実際、Googleで“MIXI 詐欺事件”で検索すると667,000件もヒットします。当然これは、詐欺事件の件数ではありませんから多いとも少ないとも言えませんが、同じく“Yahoo 詐欺事件”で検索すると、ほぼ倍の1,310,000件ヒットします。
結局、自衛のための心得として、コミュニテーィーサイトに詐欺事件は必ず起こる、と考えるべきです。

ま、上の例で言うと、50万円借りるのにわざわざウェブサイトで代理人を探し、金を借りようとするのは、消費者金融のブラックリストに載っているか、身近では誰も金を貸してくれないか、鼻から騙そうとしているか、オラホにはこれ以上の理由は思い当たりませんが、いずれにしても信用の置けない奴である、と言うことだけは確かなように思います。


■実体験から

この時の被害者は、一人暮らしの20代前半の女性だったと言ってましたが、家族とか友人とかに相談していれば注意を喚起され被害にも合わなかったと思います。
オラホも、20代の時に詐欺とは言えないまでも、被害にあいそうになったことが3度ありますが、そんな経験のある人は、オラホの年代には沢山いるのですから聞いてみらよいのです。
今では、もう使い古しの手口かもしれませんが、ここでオラホの実体験を一つ披露します。誰かのために。



・体験談「フィットネスジムの会員権」詐欺(?)


オラホが、東京から帰省し数ヶ月が経った頃のことだったと思う。
オラホは、営業が終わり二階へ上がろうと店を出ようと、ドアの外に半身が出たときだった。
これからの騒動の始まりとなる電話が鳴った電話に出てみると、相手は若いお姉さんだった。
用件はフィットネスジムの勧誘だと言う。

オラホは、盛岡に帰ってきて間もない時で、気の緩みもあったと思うが、腹まわりも緩んでいたので、多少興味があった。
それに、ちょっぴり良い感じのお姉さんだったこともあり、結局オラホは、誘われるまま先方のオフィスで話を伺う約束をした。

約束の日、社名と“朝日橋のそば”という手がかりを頼りに、多少迷いながらも、盛岡駅に程近い朝日橋のたもとに、目的のオフィスの入っているビルを見つけることが出来た。
オフィスは、7、8階建てのビルの中ほどにあり、中に入ってエレベータに乗って指定された階に上がった。
ドアが開き、エレベータを降りるとすぐ目の前にそのオフィスはあった。

オラホは、ドアを開け中に入った。
そのオフィスは、左右2つのセクションに分かれており、左側はロビー、右側は細い通路になっていて、ドアが4つほど並んでいた。
どうやら個室のようだ。

「いらっしゃいませ。」

ロビーには、数人の男女が立っており軽快に挨拶をした。
オラホは、電話で交わした約束の件を伝えると、その内の一人、おそらく電話のお姉さんかと思わせる女性が、私を個室のひとつに案内した。

案内された部屋は、奥行きのある細長い個室になっており、正面にある窓からは、盛岡の町並みと北上川が見える。
部屋の照明は明るく、中央にはパンフレットや資料が置かれた小さな机と、それを挟みこむように椅子が2つ置いてあり、全体としては殺風景だが小奇麗な印象だ。
もっとも窓に格子が入っていれば、刑事の取調室のように見えたかもしれな。

愛想よく勧められるままオラホは、窓を背に椅子に座り、その後お姉さんが向かいの席についた。
20代後半、たぶん7、8と言ったところか。
ストレートのセミロングで、フロントセクションは短かめにして流してい。
トップは、短めで少し立ち気味で、軽くバングに下ろしている。
当時流行っていた「トニックヘアー」だ。
淡いグレーのスーツを着て、全体的には、大人の女性と言った印象で悪くない。
綺麗なほうだったと思う。
一通りの挨拶と軽い雑談をした後、いよいよ勧誘が始まった。


【お姉さん】
(パンフレットを見せながら)
「これが、電話でお話したジムとなります。
 いかがですか?すばらしい施設でしょう?
 会員になるとこれらのジムを無料で使うことができるんですよ。」


【オラホ】
「へぇ〜、きれいですね。」


【お姉さん】
「し・か・もぉ〜、ヴィトンなどのブランド品を30%引きで購入することができるんですよぉ。」


【オラホ】
「へぇ〜・・・。」(実はあまり興味ない)


【お姉さん】
「どうです?あなたは、この会員券にどれくらいの価値があると思いますか?」


【オラホ】
「ええと、50万位…くらい?」(少し見栄を張った)


【お姉さん】
「ねぇ〜、そう思うでしょう。それがですねぇ、これがたったの18万円なんですよぉ。」


【オラホ】
「へ、へぇ〜、や、やすっ、安いんですねぇ。」



かなり端折ってるが、大体こんなやり取りだった。
個室できれいなお姉さん、和やかな会話、豪華な設備の載ったパンフ、ブランド物の優待割引、こんなんで舞い上がるなんて文章に書けば、あほか?と思う内容だが、心理学的に、フット・イン・ザ・テクニック(段階化テクニック)とも呼ばれる手法を使った巧妙な手口だ。

これは、段階的に依頼レベルを上げ、最終的にとても承諾し得ないような依頼を承諾させてしまう手法で、最初から厄介な依頼をした場合の成功率との対比は2倍になると言うもの。
つまり、この場合のオラホは、時間を割き、オフィスまで足を運ぶという依頼を受け入れてしまっているので、彼女の依頼に対し断りきれなくなっていると言うわけだ。

しかも、楽しく会話もして、意味の無いシンパシーを感じているので、より効果的なのである。
また、会員券の価値をオラホが「50万円」と言ったため「18万円」が高いとは言えなくなってしまってる状況もある。
もっとも、本当に「安い」と思う人もいるだろうが、オラホは違った…。

最後に彼女はこう付け加えた。

「ただ、現在盛岡にはジムが出来ていないので、仙台まで行かなければなりませんが。」


はぁ?

話にならないじゃないか。
週に何回通おうかと思っているのに、仙台では月に何回行けるか…。
しかも、仙台まで往復1万2千円もかかるじゃあ〜りませんか。

これで、オラホの腹は決った。
こんなジムの会員になるわけにはいかない。
今考えると、ブランド物だって偽者に違いないし、ジム設備だって本当に仙
台にあるか分かったものじゃない


しかし、さしあたっての問題は、どうやってこの場を切り抜けるかだ。
オラホの脳味噌は、三輪車でMAXフル回転する足のように脱出プランを搾り出そうと高速で回りはじめた。
また、その一方で、こんな安易な手に乗った自分の甘さ加減を叱責する、冷静なもう一人のオラホがいた。

む、無念だぁ。

思えば、一人っ子で育ったオラホは、いつも人から「一人っ子だから甘えん坊だ」とか、「競争に弱い」とか、「すぐに人を信じる」とか、「お前マザコンだろ」
とか、言われて続けてきた。

これは、差別ではないのか。
一人っ子には、人権が無いのか?
どうして、オラホの煎餅は最後の割れたカスばっかりなんだ?

一人っ子に愛の手を!
一人っ子に千羽鶴を!
中国の一人っ子政策万歳!!

だいたい一人っ子に生まれたのは、オラホのせいじゃない。
母親には、「お姉さんがほしい」と何度も言って困らせてきたが、結局、父親が早く他界したために願いは叶わなかった。

ああ、何を考えてる。
姉がオラホの後に作れるわけが無いじゃないか。
いや、母親が子連れと結婚すれば不可能でもないか…。
オラホは混乱している。
そんな問題じゃない。
今は、一人っ子の人権問題を考えている場合ではないぞ。
そうして、思考の袋小路で、この局面を打開する術はない、と諦めかけた、そのときだった。
一筋の光明が見えた。
いや、蜘蛛の糸だったかもしれない。

「マザコンになろう」

おお〜、そうだその手があった。
どうせオラホは、一度ならず「マザコン」と言われた男、「マザコン」になってやろうではないか。
しかもオラホには、小学校時代に2回、中学でも1回、クラスの演劇で主役をとった演技力がある。

たとえ侮蔑の眼で見られようが、結婚するわけでもない赤の他人のお姉さんにどう思われようが、ぜ〜んぜん平気だもん!
お、すでに役に入ってるぞ。
もう、オラホに迷いはなかった。

顔は、左斜め下、45度の角度に固定。
目線を仰角45度に設定、いわゆる「上目づかい」というやつだ。
そして、鼻から少し抜けるように言葉を発した。


「えぇ〜!でもぉ〜、ママの了解がないとぉ〜、ボクの一存では〜、決められないし〜……」


これで、決まりだ。
さささ〜、と、お姉さんの顔面から血の気が引く音が聞こえた気がした。



5分後、気が付くとオラホは、朝日橋の上で霊峰岩手山を仰ぎ、山から吹き降ろす涼風を体全身で受けていた。
オラホは、マザコンを演じきった。
みごと大脱出に成功したのだ。

やつらは、オラホのアカデミー主演男優賞張りの演技に、オラホを真性の「マザコン」と思い込み、目的の遂行を断念せざる得ないと諦め、解放したのだ。
ふっ、オラホを落とすなど百年早いわ。

しかし、あのオフィスを出て、閉まりかける扉の隙間から、抜けるような笑い声が聞こえたような気がしたのは、オラホの思い違いか。
いや、思うまい。
オラホは、ミッション(?)を遂行したのだ。
多少の犠牲は覚悟の上だったではないか。
ビルに背を向け歩き始めたオラホは、少し冷たい風に軽く身震いしたのだった。


注:何か気に入らなかったので、2008.5.8改定しました。

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